■ 健康社会学特論Ⅰ(健康科学・看護学専攻)
【健康社会学特論Ⅰ(健康科学・看護学専攻)】
2010年度 健康社会学特論Ⅰ(健康科学・看護学専攻)
テーマ: 健康社会学の理論と方法の応用
<健康社会学特論とJCの合同授業>健康社会学は、健康・病気と保健・医療の世界における問題の解明・解決に、主に社会学の理論と方法を用いて寄与しようという学問分野です。
今回の健康社会学特論は健康社会学建機王教育学JCの合同で行わせていただきます。
<授業のテーマと目標> 理論は、研究の結果与えられた知識の集成であると同時に、新たな知識を得るための用具です。研究のスタンスや 「対象への迫り方・光の当て方(アプローチ)」、視点(ビューポイント)、フレイムワーク、理論モデルなども理論の一つと考えていいでしょう。
古今東西の優れた研究は、何よりもまず、科学的究明のために用いている理論用具が優れているのです。今回の特論・JC合同授業では、 健康社会学の理論・概念・アプローチと、研究方法としては量的研究と質的研究の両方を、とにかく評価の高い国際誌に掲載された英文研究論
文を通して、「世界水準」の「独創的な研究」レベルで考え学び身に付けることを目標にします。
<授業の進め方>英文研究論文の紹介とコメントは受講者全員で分担して行います。各回、前後でレクチャーとディスカッションの時間をとります。
<成績評価>出席、報告の分担、討論への参加により総合的に評価します。
担当:
山崎 喜比古(准教授、健康社会学教室主任)
4/23 《研究の要件と種類と進め方》
山崎喜比古 編著『健康と医療の社会学』東京大学出版, 2章, pp.19-30, 2001.山縣然太朗ら 監修『保健医療福祉の研究ナビ』金原出版, Ⅰ-2, Ⅱ-1・2(pp.8-120), 2007
《レビュー論文にみる「逆境下成長」の概念と尺度ならびにそれへの着眼の意義》
Linley PA, Joseph S., Positive change following trauma and adversity: a review, Journal of Traumatic Stress, 2004 17(1): 11-21.
5/7 《終末期患者の「人間の尊厳」観》
Chochinov HM, et al.: Dignity in the Terminally ill: a developing empirical model. Social Science & Medicine, 54: 433-443, 2002.
5/14 日本保健医療社会学会@山口のためお休み
5/21 《どんなタイプのソーシャルサポートがストレス対処力SOCの向上につながるのか(重回帰分析)》
Langeland E at al., theimpact of social support on mental health service
user's sense of coherence: A longitudinal panel survey. International Journal
of Nursing Studies. 46(2009): 830-837.
5/28 日本産業衛生学会@福井、のためお休み
6/4 招待講演@台湾2大学、のためお休み
6/1 《社会的文脈を異にした死別が遺族にもたらす影響の特徴を方法論的複眼で明らかにする》
Mizota Y, Yamazaki Y, Inoue Y. Ozawa M. Psychosocial problems of bereaved families of HIV-infected hemophiliacs in Japan. Social Science & Medicine. 2006; 62(10): 2397-2410.
6/18 《日本の高齢者の配偶者による介護にみられる性差を海外に発信(分散分析)》
Ugiura K, Ito M, Kutumi M, Mikami H.: Gender Differences in spousal caregiving
in Japan. The Journals of Gerontology: Series B, Psychological Sciences and social
Sciences, 2009 Jan; 64(1): 147-56.
6/25 《院外心停止からの生還者に質的研究で見付けたストレス対処能力SOCの回復過程》
Bremer A, Dahlberg K, Sndman L. Tosurvive out of hospital cardiac arrest:
a search ofr meaning and coherence. Qual Health Res. 2009 Mar, 19(3): 323-38.
2009年度 健康社会学特論Ⅰ(健康科学・看護学専攻)
テーマ: 健康社会学の理論と方法―その応用―
<授業の目的> 理論は、研究の結果得られた知識の集成であると同時に、新たな知識を得るための用具です。研究のスタンス(stance)とか「対象への迫り方・光の当て方」(approach)、視点(viewpoint)、視角(perspective)、フレイムワーク(framework)、理論モデル(theoretical
model)などもそれです。いい研究と言われるものでは、これらがすぐれているのです。授業では、健康社会学のそうした理論・概念・アプローチと、研究方法としては量的研究と質的研究の両方を、評価の高い実際の英文研究論文を通して、何よりも「世界水準」の「独創的な研究」について考え学ぶことが目標です。
<授業の方法>英文研究論文の紹介とコメントは受講者全員で分担して行います。各回、前後でレクチャーとディスカッションの時間をとります。
<成績評価>出席、報告の分担、討論への参加により総合的に評価します。
担当:
山崎 喜比古(准教授、健康社会学教室主任)
4/24 序論:健康社会学と研究、研究とは何か?―研究の用件と種類と進め方―…山崎のレクチャー
《初期認知賞患者の病(やまい)へのイメージと病経験》、質的研究(解釈的現象学的方法)
Harman G, Clare L.: Illness Representations and Lived Experience in Early-Stage
Dementia. Qualitative Health Research, 16(4), 484-502, 2006.
5/1 《日本の高齢者の配偶者による介護の性差》、量的調査研究(分散分析)、日本研究の国際発信
Sugiura K, Ito M, Kutsumi M, Mikami H.: Gender differences in spusal caregiving
in Japan. The Journals of Gerontology. Series B, Psychological Sciences and Social
Sciences, 2009 Jan; 64(1): 147-56.
5/8 《紛争下を生きた青少年のストレス対処・健康保持能力概念SOCと対処》、SOCスケール(量的測定)を用いた質的研究(内容分析・シーケンシャル分析)、査読者とのやり取り
Ebina R, Yamazaki Y.: Sense of coherence and coping in adolescents directly
affected the 1991-5 war in Croatia. Promotion Education, 15(4), 5-10, 2008.
5/15 《侵襲的人工呼吸療法を行う日本のALS患者の困難と望み》 (Qual+Quant)
Hirano YM, Yamazaki Y, Shimizu J, Togari T, Bryce TJ. Ventilator dependence
and expressions of need: A study of patients with amyotrophic lateral sclerosis
in Japan. Social Science & Medicine. 2006; 62: 1403-1413.
5/22 《日本の薬害HIV感染被害者遺族の心理社会的諸問題》 (Qual+Quant)
Mizota Y, Yamazaki Y, Inoue Y. Ozawa M. Psychosocial problems of bereaved families of HIV-infected hemophiliacs in Japan. Social Science & Medicine. 2006; 62(10): 2397-2410.
5/29 《医師が気持ちよく働けるために一番必要なことって何だ?》 .(Quant+Qual)
Wallace JE, Lemaire J.: On Physician well being - You'll get by with a
little help from your friends. Social Science & Medicine, 2008; 64: 2565-2577
6/5 人間社会研究のための多変量解析法への誘い/入門
2008年度 健康社会学特論Ⅰ(健康科学・看護学専攻)
テーマ: 健康社会学の理論・概念・アプローチと調査研究技法
健康社会学の理論・概念・アプローチ(theory, concept, approach)と調査研究技法について学ぶことを目的としています。理論は、研究の結果得られた知識の集成であると同時に、新たな知識を得るための用具です。研究のスタンス(stance)とか「対象への迫り方・光の当て方」(approach)、視点(viewpoint)、視角(perspective)、フレイムワーク(framework)、理論モデル(theoretical model)、キイ概念(key concept)などもそれです。いい研究と言われるものでは、これらがすぐれているのです。健康社会学特論(Ⅰ)では、健康社会学のそうした理論・概念・アプローチを、評価の高い比較的最近の英文研究論文を通して学ぶことが目標です。
英文研究論文の紹介とコメントは受講者全員で分担して行います。各回、前後でレクチャーとディスカッションの時間をとります。文献のマスターコピーは、旧保健社会学教室事務室(S105)にある山崎のメールボックス中に置いておきますので、各人でコピーして下さい。
担当:
山崎 喜比古(准教授、健康社会学教室主任)
4/24 健康社会学の理論と方法ならびに調査研究技法について
山崎喜比古 編著『健康と医療の社会学』東京大学出版, 2章, pp.19-30, 2001.
山縣然太朗ら 監修『保健医療福祉の研究ナビ』金原出版, Ⅰ-2, Ⅱ-1・2(pp.8-120), 2007
5/8 《エイズとともに生きることにみる希望と絶望と失望状態》
Kylma J. Vehvilainen-Julkunen K. Lahdevirta J.”Hope, despair and hopelessness in living with HIV/AIDS: a grounded theory study.” Journal of Advanced Nursing. 33(6):764-75, 2001. (Qual)
5/15 《思春期の母親を左右する「永続感覚」》
Kylma J, et al.: Psychosocial Predictors of Maternal and Infant Health Among Adolescent Mother. AJDC, 145, 267-273, 1991. (Quant)
5/22 《医療職のワークライフバランス研究のブレイクスルー(打開)》
Siegel,K. et al., “Perceiving benefits in adversity: stress-related growth in women living with HIV/AIDS”, Social Science & Medicine, 51:1543-1554, 2000. (Qual)
5/29 《QOLの変化におけるリスポンスシフトの影響》
Wallace JE, Lemaire J.: Oh physican well being - You'll get by with a little help from your friends. Social Science & Medicine, 51: 1543-1554, 2000. (Quant)
6/12 《障害児家族のスティグマ感と生活》
Sara E. Green, “What do you mean `what's wrong with her? ''': stigma and the lives of families of children with disabilities, Social Science & Medicine 57(2003), 1361-1374. (Quant+Qual)
6/19 《終末期患者の「人間の尊厳」観》
Chochinov HM, et al.: Dignity in the Terminally ill: a developing empirical model. Social Science & Medicine, 54: 433-443, 2002. (Qual)
注) Qual:質的調査研究論文, Quant:量的調査研究論文, Rev:レビュー論文, Theo:理論研究論文
2007年度 健康社会学特論Ⅰ(健康科学・看護学専攻)
テーマ: 健康社会学の理論・概念・アプローチ(HEALTH SOCIOLOGICAL THEORY, CONCEPTS, AND APPROACHES)
理論は、研究の結果得られた知識の集成であると同時に、新たな知識を得るための用具です。研究のスタンス(stance)とか「対象への迫り方・光の当て方」(approach)、視点(viewpoint)、視角(perspective)、フレイムワーク(framework)、理論モデル(theoretical model)、キイ概念(key concept)などもそれです。いい研究と言われるものでは、これらがすぐれているのです。健康社会学特論(Ⅰ)では、健康社会学のそうした理論・概念・アプローチを、評価の高い比較的最近の英文研究論文を通して学ぶことが目標です。
英文研究論文の紹介とコメントは受講者全員で分担して行います。各回、前後でレクチャーとディスカッションの時間をとります。文献のマスターコピーは、旧保健社会学教室事務室(S311)にある山崎のメールボックス中に置いておきますので、各人でコピーして下さい。
担当:
山崎 喜比古(准教授、健康社会学教室主任)
4/13 健康社会学の理論と方法
4/20 《病気を持つということ: インサイダーパースペクティブに基づく病い経験への着眼》
Conrad, P., The meaning of Medications: Another Look at Compliance. In Conrad, P. Ed., Sociology of Health and Illness: Critical Perspectives, 6th Edition, 137-148, Worth Publishers, 2001. (Qual)
4/27 《エイズとともに生きることにみる希望と絶望と失望状態》
Kylma J. Vehvilainen-Julkunen K. Lahdevirta J.”Hope, despair and hopelessness in living with HIV/AIDS: a grounded theory study.” Journal of Advanced Nursing. 33(6):764-75, 2001. (Qual)
5/11 《がん患者と配偶者のストレスコーピング: カップルデータの分析》
Northouse,L.L. et al., 2000. "Couples' patterns of adjustment to colon
cancer". Social Science & Medicine 50: 271-284. (Quant)
5/25 《逆境において得たものがあると知覚すること: エイズとともに生きる女性にみるストレスに伴う成長》
Siegel,K. et al., “Perceiving benefits in adversity: stress-related growth
in women living with HIV/AIDS”, Social Science & Medicine, 51:1543-1554,
2000. (Qual)
6/ 1 《QOLの変化におけるリスポンスシフトの影響》
Ahmed, S. et al., (2004) Response shift influenced estimates of change in health-related quality of life poststroke. Journal of Clinical Epidemiology, 57, 561-570. (Quant)
6/ 8 《終末期患者の「人間の尊厳」観》
Chochinov,H.M..et al., "Dignity in the Terminally ill: a developing
empirical model”. Social Science & Medicine 54: 433-443. 2002. (Qual)
6/15 《障害児家族のスティグマ感と生活》
Sara E. Green, “What do you mean `what's wrong with her? ''': stigma and
the lives of families of children with disabilities, Social Science &
Medicine 57(2003), 1361-1374. (Quant+Qual)
6/22 《ダウン症の医学モデルvs社会モデル》
Alderson,P.,"Down's syndrome: cost, quality and value of life".
Social Science & Medicine. 53: 627-638, 2001. (Qual)
6/29 《遺族にとっての調査への参加経験》
Kari Dyregrov, “Bereaved parent's experience of research participation.”
Social Science & Medicine, 58(2), 391-400 2004. (Quant)
注) Qual:質的調査研究論文, Quant:量的調査研究論文, Rev:レビュー論文, Theo:理論研究論文