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東京大学大学院 医学系研究科 健康科学・看護学専攻 健康社会学分野
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■ 研究プロジェクト,自主研究会★

【進行中の研究プロジェクト】

「患者・障害者・家族・遺族のライフ把握の理論と方法に関する総合的実証研究」

 難治性の、あるいは長期に療養を要する疾患を患うこと、スティグマを伴う疾患や障害をもつこと、そういう患者や障害者の介護・介助を行うようになること、子どもや配偶者を若くして病気や事故や犯罪で失うこと---それらは、わが国でも現に何百万もの人々が経験し、今後ますます多くの人々が経験すると思われるライフイベンツである。
 本研究では、欧米の医療社会学・健康社会学で開発・使用されているライフ把握の最新・最良の理論と方法を参考に、このような患者・障害者・家族・遺族の生存・生命と生活と人生というライフの3次元における困難と対処、そうしたライフの再構築とQOL回復の過程、目標として新しく定義し直されたQOLの構造と特徴、再構築の成否を左右する対処のあり方や対処能力や回復力について実証的な把握解明を図ること、ならびに、そうした人々のライフおよびライフ・ニーズを把握するための理論と方法について、実証研究を踏まえて理論的展開と体系化の試みを目指している。

「アントノフスキーの健康生成論サルートジェネシスと健康保持能力SOCに関する研究」

①アントノフスキーの健康生成論サルートジェネシスと健康保持能力概念としての首尾一貫感覚SOC(Sense of Coherence)に関する文献研究・理論研究、②SOC日本語版スケールを用いた調査研究による日本におけるSOCの分布と要因ならびに機能と効果に関する実証研究、を行っている。

「非加熱血液製剤によるHIV感染被害と救済に関わる調査研究」

薬害HIV感染被害者からの調査協力依頼に基づいて開始された調査研究で、調査研究の立案からまとめに至るまで当事者と研究者の共同で行う参加型リサーチ方式が取られている。98年に実施した、全国の薬害HIV感染生存者を対象とした「薬害HIV感染者の健康・医療・生活・福祉に関する総合基礎調査」に基づく研究結果を、2000年には『HIV感染被害者の生存・生活・人生-当事者参加型リサーチから-』の本にまとめて出版した。現在は、3年間に亘る薬害感染被害者遺族の調査を終え、報告書を完成させた。今後は、追跡調査なども検討している。

「健康の社会的格差・不平等とその形成要因に関する研究」

数年前にスタートし、①日本の首都圏内の成人男性死亡率に顕著にみられる地域差とその関連要因の分析把握、②既存の保健衛生統計および統計調査の社会階層別再集計と再分析、③都市住民や労働者に対する大規模な調査による健康状態や健康関連行動の社会階層差とその関連要因の分析把握、を行っている。

「てんかんを持つ人々のQOLと点頭てんかん診断後の『生活予後』に関する研究」

てんかん患者・家族の会であるてんかん協会東京都支部からの調査協力依頼に始まった数年来の調査研究である。①てんかんを持つ人々(PWE,People with Epilepsy)のQOLと「てんかんであること」に伴うストレスに関する調査研究と、②点頭てんかん診断後20年余の子どもと介護家族の「生活予後」とライフコースに関する回顧的縦断調査研究、を行っている。

「医療者-患者関係の転換と患者の主体化に関する現状分析と理論開発」

患者の主体化・自律化を軸にした転換が迫られている日本の医療者・患者関係に関して、現状分析と理論開発を目的に、①医師・患者間コミュニケーションおよび相互作用、②医療における意思決定過程の問題、③医療過程における患者参加に対する医療者側と患者・市民側の態度、④新しい医療者・患者関係の特徴と課題、といったさまざまな角度から、実証研究と理論研究を行い、ここ数年の成果は、書籍『転換期の医療者・患者関係-理論と分析-』にとりまとめて出版することを予定している。

「トンネル建設労働によるじん肺多発の過程と要因に関する研究」

1970年代後半から80年代初頭にかけて、トンネル建設労働による重症じん肺が激増をみた。当時、その要因として高率発生の要因やさまざまな歯止めの欠如が指摘され、社会問題にもなった。しかし、その後も、トンネル建設労働者からの重症じん肺多発は続いている。トンネル建設労働による近年のじん肺多発の過程と要因の解明を目的として、トンネル建設従事経験者やじん肺患者に対する調査と文献的資料による検討を行っている。

「企業社会の変動が労働者の『働き方・生き方』と疲労・ストレスに及ぼす影響に関する研究」

近年、日本の企業社会は、経済不況、高失業率、リストラ、終身雇用制や年功賃金制の解体、能力主義や成果主義の大幅導入、8時間労働制の解体など、未曾有の構造変動を迎えている。本研究プロジェクトでは、こうした変動が労働者の「働き方・生き方」や疲労・ストレスに及ぼす影響とそのメカニズムの解明を目的として、さまざまな調査研究と文献研究を行っている。

「ヒューマンサービス労働の心身負担特性に関する研究」

 ヒューマンサービス労働は、医療、看護、介護、福祉、心理、保育、教育など広い分野にまたがり、今日ますます増加している。その労働の対象も目標も人間にあり、全人的な関わりを必要とする労働であるため、モノを対象にしてきた従来の労働とは心身負担もその関連要因も異なると考えられる。現在、高齢者福祉施設で働く看護職と介護職を対象に調査、分析検討を行っている。

高齢者の生産的活動及びサポート授受と健康に関する研究

高齢者の多くは、社会や他者から支援を受けるだけではなく、自らも就労や他者に対する支援など生産的な活動に従事している。高齢者におけるこうした活動や側面の維持・拡大は、超高齢化社会へのソフトランディングとの関係でも高齢者のサクセスフルエイジングとの関係でもますます重要になっている。現在、いくつかの地域での調査データをもとに、高齢者における生産的活動の分布とその関連要因ならびに精神健康との関連性について分析検討を行なっている。

「心や体の問題と暮らしやすさについての調査」

<準備中>

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【自主研究会】

自主研究会はサロンや楽屋の雰囲気もある、研究と勉強のための自主会合です。健康社会学研究室に拠点を置きますが、参加は研究室メンバー以外にもオープンにしています。関心がおありの方は各研究会世話人までご連絡ください。またこの他にも、テーマ別の勉強会や研究プロジェクト別の自主研究会なども活発に開かれています。(2009年現在)

◆ライフ研「患者・障害者・家族のライフ把握の理論と方法に関する研究会」

◆ケアシス研「転換期の医療者・患者関係とヘルスケアシステムに関する研究会」

◆SOC研「ストレス対処・健康保持能力概念SOCに関する研究会」

◆HSS研「健康社会ストレス研究会」

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